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~不安だけでなく「楽しめなさ」に向き合う認知行動療法~

こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店です。

私たちのもとには、
「人と話すときに緊張してしまう」
「注目されると頭が真っ白になる」
という社交不安に関するご相談が多く寄せられています。
そして最近特に増えているのが、次のようなお悩みです。

「会話が終わっても、安心も嬉しさも感じない」
「人と一緒にいても、どこか楽しくない」

このような状態は、**アンヘドニア(快感喪失)**と呼ばれ、社交不安症と同時に起きることがあります。

本記事では、社交不安に加えて「楽しめない感覚」がある方へ向けて、認知行動療法(CBT)の視点からできることをお伝えします。


アンヘドニアとは何か

アンヘドニアとは、「嬉しさ・喜び・楽しさ」を感じにくくなる状態です。
うつ病でよく見られる症状として知られていますが、実は社交不安症の方にも共通して起こることがあります。

具体的にはこんな感覚があります:

このような感情の鈍さがあると、人間関係への動機そのものが低下してしまいます。


社交不安とアンヘドニアの結びつき

「不安」だけではない、もう一つのつらさ

社交不安症の代表的な特徴は、「人の目が怖い」「評価が気になる」などの不安症状です。
しかしながら、**「人といても楽しくない」**という感覚が加わると、単なる緊張や恐怖とは違う苦しみ方をします。

報酬系の働きが弱まる傾向

脳の反応を調べた研究では、社交不安がある方は、ポジティブな人間関係の中でも脳の“報酬系”が十分に働かないことが示されています。

結果的に、人と接することの“ご褒美”が少なくなり、自然と人間関係を避けたくなってしまうのです。

行動の減少 → 関係の断絶 → 喜びの喪失

「楽しめないから行かない」「関わっても疲れるだけ」という状態が続くと、
さらに感情が乏しくなり、孤立が深まるという悪循環に陥るリスクも高まります。


認知行動療法(CBT)ではどんな支援ができるのか

このような「社交不安+楽しさの喪失」のケースでは、
不安にアプローチするだけでなく、**“快を再構築する支援”**が必要になります。


◆ 行動活性化:気持ちが動かなくても、まず動く

「やりたい」ではなく「できる範囲でやってみる」というスタンスが鍵です。
以下のような視点から関わります。

たとえば、以下のような実践から始められます。

● 通勤途中にあいさつをしてみる
● 飲み会には行かず、少人数でのお茶に参加してみる
● 自分の好きな話題だけを含めた3分間の会話に挑戦する


◆ 喜びを再発見するための小さなワーク

喜びを“感じよう”とするのではなく、“感じられた瞬間”を見つけていく形で支援を行います。


仮想ケース:20代・男性Aさん

Aさんは、職場での雑談や会議で強い緊張を感じており、話すたびに自己否定的な思考に陥っていました。
加えて、同僚と過ごしても「楽しくない」「何の意味もない」と感じるようになっていました。

当初、認知の修正や暴露(人前に出る練習)を行いましたが、モチベーションの維持が難しく、途中で支援の方向を転換。

こうした視点の転換を重ねることで、次第にAさんの行動量と心の反応が回復していきました。


よくあるご質問(Q&A)

Q1. 社交不安とアンヘドニア、どちらが治療の優先ですか?
→同時に進めることが多いです。不安が軽くなっても「楽しくない」と感じる場合は、行動活性化や感情へのアプローチを取り入れます。

Q2. 対面での相談が怖いのですが…
→当センターではオンライン相談にも対応しており、顔出し不要の形式でもご利用いただけます。

Q3. 自分が“普通じゃない”気がして恥ずかしいです…
→「人といても心が動かない」と感じるのは、あなたの性格ではなく状態です。治療対象として受け止め、一緒に向き合っていきましょう。


まとめ

ポイント内容
社交不安の苦しみ緊張や不安だけでなく、「報われなさ」や「楽しめなさ」も重要
CBTの考え方不安の低減と同時に、喜びを育てる視点を重視
支援方法行動活性化と感情の再発見ワークを組み合わせる
ゴール無理に「楽しむ」のではなく、「関われる自分」を取り戻すこと

東京品川で社交不安にお悩みの方へ

「怖さを減らすだけでなく、関わる意味を見つけたい」
「無理せず、少しずつ話せるようになりたい」

そんなお気持ちをお持ちの方は、どうぞご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店では、社交不安とアンヘドニアの双方に対応した専門的支援を行っております。


■ 認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店

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