嘔吐恐怖（エメトフォビア） とは、「吐いてしまうのではないか」という不安や恐怖が強く続き、日常生活に大きな制限がかかってしまう状態を指します。外食や通勤、学校や仕事での人間関係が難しくなり、社会生活全体に影響が及ぶことも少なくありません。本人にとって切実な悩みであると同時に、家族にとっても大きな心配の種となります。

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店です。
私たちは品川区西五反田に拠点を構え、地域の皆さまが安心して心の悩みを相談できるよう、認知行動療法（CBT）に専門特化した心理支援を行っています。

本日のテーマは 「嘔吐恐怖（エメトフォビア）」。この記事では、その特徴や背景、そして認知行動療法を用いたカウンセリングの具体的な取り組みについてご案内します。

嘔吐恐怖とは？

嘔吐恐怖は単なる「吐きたくない」「気分が悪いのが嫌だ」といった感覚を超えて、

• 自分が吐いてしまうこと
  
• 他人の嘔吐を目にすること
  
• 人前で吐いてしまうこと
  

を過度に恐れる状態を指します。

この恐怖は「また吐いたらどうしよう」という 予期不安 と結びつき、外食を避ける、電車やバスでの移動に強い不安を感じる、学校や会社での集まりから距離を置く――といった形で行動に影響を及ぼします。その結果、学業や仕事、人間関係に大きな支障が出ることもあります。

嘔吐恐怖に見られる悪循環

多くの場合、以下のような悪循環が確認されます。

• きっかけ
  　「少し気持ち悪いかも」「吐きそうになったらどうしよう」という思い。
  
• 身体反応
  　動悸や発汗、喉の違和感、胃のむかつきなどの身体反応が強まる。
  
• 注意の集中
  　体の感覚ばかりに意識が集中し、不安がさらに高まる。
  
• 回避行動
  　外食や会食を避ける、途中退席する、体調を繰り返し確認する。
  
• 不安の固定化
  　一時的な安心を得るが、「避けなければ危険だ」という思い込みが強まり、恐怖が長期化する。
  

このように、回避行動がかえって不安や恐怖を強めてしまうのです。

認知行動療法（CBT）での取り組み

嘔吐恐怖のカウンセリングでは、認知行動療法（CBT） が有効です。CBTでは「考え方」と「行動」の両面に注目し、悪循環を断ち切っていきます。

1. 症状の理解と整理

まずは、嘔吐に関する不安や恐怖がどのように始まり、どの場面で強まるのかを丁寧に整理します。クライエントと一緒に悪循環のモデルを描き、理解を深めます。

2. 暴露療法（エクスポージャー）

恐怖を避けるのではなく、不安を抱えたままでも行動する方法です。

• 「外食の場に座ってみる」
  
• 「一口だけ食事を試してみる」
  
• 「吐き気を感じても、一定時間は席を立たずに過ごす」
  

といった段階的な実践を行います。重要なのは、不安を消すことではなく、「不安があっても行動できる」 という体験を積むことです。

3. 行動実験

「吐いたら大変なことになる」「周囲に迷惑をかけてしまう」といった思い込みを、実際の行動で検証します。
たとえば、友人と軽くお茶をする、外食で少量だけ食べてみる、不安があっても席に座り続けてみる――。結果を観察すると、多くの場合「予想した事態は起こらなかった」と気づくことができます。

4. 注意のシフト

身体感覚に過度に集中する代わりに、意識を他に向ける練習です。

• 食事の場面では味や香り、食感に注意を向ける
  
• 会話では相手の声や内容に意識を向ける
  
• 移動中は景色や周囲の音に注目する
  

不安を消すためではなく、不安があっても別のことに注意を向けて過ごせる 体験を積むことが目的です。

5. 認知のとらえ直し

「吐いたら終わりだ」「人前で吐いたら大ごとになる」という極端な受け止め方を、そのままにせず別の視点で考えていきます。

• 「実際に吐いてしまったことはどれくらいあるか？」
  
• 「たとえ吐いても、周囲は意外と気にしないのではないか？」
  
• 「不安があっても、これまで何とか過ごせたこともある」
  

こうした気づきを積み重ねることで、不安の中でも柔軟に行動できるようになります。

よくあるご質問（Q&A）

Q1. 嘔吐恐怖は薬で良くなりますか？
A. 薬は一時的に不安を和らげることがありますが、根本的な改善には心理的なアプローチが必要です。当センターでは認知行動療法を中心に取り組んでいます。

Q2. 人前で吐くことが怖くて会社に行けません。対応できますか？
A. はい。外食や会議、通勤などに伴う不安は典型的な症状の一つです。段階的に取り組めるようサポートいたします。

Q3. 遠方からでも相談できますか？
A. はい。当センターでは全国対応のオンラインカウンセリングを実施しているため、品川区以外にお住まいの方も利用可能です。

ご利用案内

認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店

• 住所：〒141-0031 東京都品川区西五反田2丁目14-10 五反田ハイム607号
  
• アクセス：JR山手線 五反田駅 徒歩5分
  
• 営業時間：10:00〜20:00（完全予約制）
  
• LINE：https://lin.ee/26sKHRK8
  
• 予約フォーム：https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
  
• Webサイト：https://tokyo.cbt-mental.co.jp/
  

まとめ

嘔吐恐怖は「吐くかもしれない」という恐怖心が生活を狭めてしまうつらい状態ですが、認知行動療法によって改善の道筋を描くことができます。
「外食を安心して楽しみたい」「人前でも自然に過ごせるようになりたい」――そんな願いをサポートするのが東京品川店のカウンセリングです。

嘔吐恐怖に悩まされる日々から一歩踏み出し、自分らしい生活を取り戻してみませんか。