2025年11月22日
- 認知行動療法
東京品川で加害強迫改善の為のカウンセリング
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店のブログをご覧いただきありがとうございます。
本日のテーマは「加害強迫」です。
加害強迫は、「人を傷つけたかもしれない」だけでなく、「物を壊したかもしれない」「事故を起こしたかもしれない」といった強迫観念が繰り返し浮かび、強迫行為が増えてしまうことで生活に負担が広がることがあります。
東京品川でも、この苦しさを抱えている方は少なくありません。
本記事では、強迫観念と強迫行為の循環に注目し、認知行動療法を用いた加害強迫へのカウンセリングについて詳しく紹介します。
■ 加害強迫とは
加害強迫は、「誰か(または何か)に危害を加えたかもしれない」という強迫観念が頭に繰り返し浮かび、
その不快さを軽減しようとして強迫行為を繰り返してしまう状態です。
▼ 強迫観念(Obsessions)
具体的には次のような考えが突然浮かびます:
- 「人をひいたかもしれない」
- 「肩が当たって怪我させたかもしれない」
- 「商品を壊したかもしれない」
- 「ドアに触れて傷をつけたかもしれない」
- 「ぶつかったような気配がした」
- 「誰かが倒れているかもしれない」
これらは“事実の確認”ではなく、
強迫観念として浮かぶ「脅威の推測」です。
▼ 強迫行為(Compulsions)
強迫観念の不快感を弱めるために、次のような行動(強迫行為)が起こりやすくなります。
- 現場へ戻る
- SNS・ニュースを検索して事故情報を探す
- 店に戻って物が壊れていないか確認する
- 家族に「大丈夫だと思う?」と繰り返し聞く
- 頭の中で場面を何度も思い返す
- 手で触った感覚を再チェックする
これらは短期的に安心をもたらしますが、
長期的には強迫観念と強迫行為の結びつきを強めます。
■ 強迫観念 × 強迫行為の“悪循環”
加害強迫は次のように循環します:
- 強迫観念が浮かぶ
「傷つけたかもしれない」 - 不快感・緊張が高まる
納得できない・モヤモヤする - 強迫行為をする
戻る・調べる・尋ねる・振り返る - 一時的に安心する
しかし安心は長続きしない - 別の場面で再び強迫観念が浮かぶ
この循環が続くと、
「確認しないと落ち着けない」「自分の感覚が信じられない」
という負担が積み重なっていきます。
■ 人だけでなく“物”も対象になる理由
加害強迫は「人への加害」だけを扱うわけではありません。
- 店舗の商品
- 他人の荷物
- 建物の備品
- 自動車
- 壁・棚・ドア
- すれ違いざまに当たる可能性のある物体
これらも、“自分が壊した・傷つけた” という強迫観念の対象になります。
物に対する強迫観念は、
「壊したかもしれない → 確認する」
という循環を作りやすいため、生活の多くの場面で困りごとが増えてしまいます。
■ 認知行動療法によるカウンセリングの流れ
認知行動療法では、次の3つを軸に進めます。
① 強迫観念と強迫行為を整理する
まずは、
「何が浮かび(強迫観念)、どんな行動をとっているか(強迫行為)」
を丁寧に整理します。
例:
出来事:段差を踏んだ
強迫観念:「人をひいたかもしれない」
強迫行為:現場に戻り確認する
整理すると、
どの部分が負担になっているか見えやすくなります。
② 安全行動(強迫行為)が問題を維持する仕組みを理解する
強迫行為は短時間の安心をもたらしますが、
結果的に「強迫観念が正しいかもしれない」という思い込みを強めてしまいます。
そのため、
“強迫行為をしないで過ごす経験” が重要になります。
③ 曝露(エクスポージャー)
曝露は、
強迫観念を引き起こす場面にあえて触れ、その後の強迫行為を控えることで不快感があっても行動できたという経験を積む方法です。
▼ 曝露の目的
- 強迫観念があっても行動できることを体験する
- “脅威の予測”が実際には起こらないことを経験する
- 強迫行為なしでも時間とともに落ち着くことを知る
■ 曝露の具体例(加害強迫に適したパターン)
● 例1:人への加害が気になる
強迫観念:
「ぶつかったかもしれない」
曝露:
- あえて人通りのある場所を歩く
- すれ違いの距離を少しずつ近づける
- 肩が触れそうな距離を“意図的に”通る(安全な範囲で)
- その後、振り返らない・戻らない・SNS検索しない
この経験が、強迫観念と現実の結びつきを弱めます。
● 例2:段差の振動や音が気になる
強迫観念:
「人をひいたかもしれない」
曝露:
- 避けてきた段差にあえて自分から乗り上げる
- その後、現場確認をしない
振動=事故、という結びつきが弱まっていきます。
● 例3:物を壊した・傷つけたという強迫観念
強迫観念:
「商品を壊したかもしれない」
「棚に傷をつけたかもしれない」
曝露:
- 店内の狭い通路をあえて通る
- 棚の近くを歩く
- 商品に軽く触れる
- その後、壊れていないか確認しない
“物に触れる=トラブル”という結びつきが自然に弱まります。
■ 曝露のポイントまとめ
- 危険がない場面で行う
- “強迫観念”に触れる
- その後の“強迫行為を控える”ことが最重要
- 新しい学習が積み重なることで強迫観念に振り回されにくくなる
■ よくある質問(Q&A)
Q1. 曝露はいきなりは怖くてできそうにありません。
A1. 怖さを抱えるのは自然な事です。その事についてもカウンセリングで一緒に検討していくのでご安心ください。
Q2. 一人で来ても大丈夫ですか?
A2. 多くの方がお一人で来談されています。家族の同席は必須ではありません。
Q3. 相談のタイミングはいつが良いですか?
A3. 強迫観念や強迫行為によって生活が圧迫されていると感じた頃が一つの目安です。
■ 東京品川で加害強迫でお困りの方へ
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店では、
対面・オンラインの両方でご相談をお受けしています。
- 強迫観念が続いてつらい
- 何度確認しても落ち着かない
- 日常生活に影響が出ている
- 人にも物にも“加害したかもしれない”と感じてしまう
こうした状況があれば、一度お話を聞かせてください。
■ 東京品川店のご案内
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店
〒141-0031
東京都品川区西五反田2丁目14-10 五反田ハイム607号
営業時間
10:00〜20:00(完全予約制)
WEBサイト
https://tokyo.cbt-mental.co.jp/
LINE(相談・ご予約)
https://lin.ee/26sKHRK8
お申込フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform