2024年04月02日
- メンタルヘルス認知行動療法
イヤイヤ期の子どもへの認知行動療法
皆様お世話になります。認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店の代表カウンセラー、岡村です。私の子供はこの度2歳になり、現在イヤイヤ期の真っ只中です。自己主張が強く、親が何かをしようとすると「イヤイヤ」という言葉が発せられるばかり。時には、どのように接すれば良いのか迷うこともあります。愛らしさと共に、時には小さな怪獣のように振る舞う我が子との付き合い方や、家族全体のメンタルヘルスをどのように維持すれば良いのか、今回はそれらについてまとめてみることにしました。
そもそも『イヤイヤ期』とは何?
「イヤイヤ期」という用語は医学的なものではありません。この期間は、子供の成長過程において、自己主張や他の感情が芽生える一方で、感情や主張をコントロールする役割を果たすべき脳の前頭前野が未発達であるため、感情や主張が制御できない状態になります。例えるならば、ブレーキの効かない自転車に乗っているようなものです。3〜4歳になると、前頭前野が成長し、自然にブレーキが効き、感情がある程度コントロールできるようになります。
『イヤイヤ期』の子どもと過ごす
それでも、ただ成長を待つだけでは大変です。外食中に子供がすぐに飽きて奇声をあげたり、自己主張をしたりします。周囲の客も次第にイライラし始め、時には文句を言うこともあります。しかし、どれだけ注意しても、子供はますます強く主張するようになります。このような日々が続くと、親も疲れ果てます。家にいても外にいても気が休まらず、家族全体が子供と同様に感情のブレーキが効きにくくなります。
『イヤイヤ期』への対処法
私は親であり専門家でもありますので、様々な情報を調査したり、対策を模索しました。その結果、わかったことは、ある程度の対策はできるが、万能な方法は存在しないということです。しかし、いくつかの対策を取ることで、負担は軽減されることがあります。ですので、私同様にイヤイヤ期に悩む親たちは、ぜひこれらの対策をご参考にしてみてください。
1.『イヤイヤ期』が出現した時の対処
うちの子は不満があると大声で主張します。大声で主張すると、要求が通ることもあります。最初に試したのは、大声を「象さんの声」、小声を「アリさんの声」と区別するように子供に伝えることでした。次第に、「アリさんの声で話してみて」と伝えると、子供は小声で話すようになりました。そして、大声で主張したときは一貫した態度で要求に応じず、「アリさんの声」と伝えるようにしました。すると、見事に子供は「アリさんの声」で要求するようになり、その場合には速やかに対応することにしました。完璧ではありませんが、少しは「アリさんの声」で要求してくれるようになりました。
2.出来ないものは出来ない
車を運転中にチャイルドシートに乗せている我が子に「イヤイヤ期」が発生しても、親はどうすることもできませんでした。どれほど大声を出しても暴れても、親は一貫した態度で対応することにしました。すると、徐々に車に乗っているときには暴れることがなくなってきました。このような状況になると、要求が通らないことが学習されたのかもしれません。
認知行動療法の観点か
常に要求を叶えるという対策が記されていることもありますが、場合によっては逆効果になることもあります。人がある行動を繰り返すのは、その行動によってデメリットが取り除かれるか、メリットが得られるという結果が生じるためです。
例えば、「欲しいものアリ」と要求する場合を考えてみましょう。
欲しいものアリ→「買って」と要求する→親に断られる
欲しいものアリ→大きな声で「買って」と要求する→買ってもらえる
このような経験を繰り返すと、何らかの要求をする際に「大きな声」が有効であることを学んでしまいます。無条件に要求に応えていると、問題がエスカレートすることもあります。しかし、すべてを無視するというわけではありません。要求に対する線引きをしっかりと考える必要があります。
親へのメンタルヘルス
育児には、自分の育て方が悪いのではないかと考えて悩んだり、普段の育児で疲れたりするなど、負担がつきものです。育児は長距離走のようなものであり、無理は続きません。誰よりも親自身のメンタルヘルスを保つことが重要です。しかし、育児にはなかなか休む時間を取ることが難しい場合もあります。そのようなときは、専門家の助けを借りることも検討してみてください。
認知行動療法カウンセリングセンター
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店は認知行動療法を専門としたカウンセリングルームです。育児についての相談もお受けしておりますのでお気軽にご相談ください。
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