2024年11月20日
- 認知行動療法
不登校へのカウンセリング（認知行動療法）
こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店の岡村です。
本日は、当センターで行っている小中学生の不登校支援について詳しくご紹介します。不登校問題はここ数年で急速に増加しており、社会全体で解決すべき重要な課題となっています。文部科学省の最新統計によれば、不登校状態にある小中学生は約34万人に上り、10年連続で増加している状況です。
この現状は、不登校が一部の子どもだけの問題ではなく、幅広い家庭や地域で向き合うべき共通のテーマであることを示しています。当センターでは、不登校を単なる「学校に行けない状態」として捉えるのではなく、その背景にある複雑な要因を深く理解し、個々の子どもに合った最善の支援を提供することを目指しています。
特に、当センターでは**認知行動療法（CBT）**を活用し、子どもやそのご家族が抱える不安や悩みに寄り添いながら、日々を前向きに過ごせるよう全力でサポートしています。本記事では、当センターの支援方針とカウンセリングの具体的な流れについて詳しく解説します。
不登校支援に対する当センターの考え方
1. 個別の背景を尊重
不登校の理由は子どもによって大きく異なり、一つとして同じケースはありません。
- 人間関係のストレス：友人や教師との関係性に悩んでいるケース
- 学習のプレッシャー：成績や勉強への不安から学校を避けるケース
- 過剰な努力による心身の疲労：無理して学校に通い続けた結果、不登校に至る場合も
そのため、当センターでは「学校復帰」を唯一のゴールとするのではなく、子ども一人ひとりの状況やペースを尊重し、個々に適した選択肢を見つけることを重視しています。学校復帰を目指す場合もあれば、通信制教育やフリースクールなど、新しい学びの場を探る場合もあります。
2. 家族や学校との連携
不登校支援では、子ども自身へのアプローチだけでなく、家族や学校との連携も欠かせません。家庭内のコミュニケーションの改善や学校関係者との情報共有を通じて、子どもが安心できる環境づくりを目指します。また、ご家族が抱える不安にも丁寧に対応し、家族全体が一丸となって子どもをサポートできるよう支援しています。
不登校支援の具体的な流れ
1. 状況の把握と現状整理
初回の面談では、子どもや保護者の状況を丁寧にヒアリングします。以下のポイントを中心に、不登校に至る背景や影響を整理します。
- 不登校のきっかけとその後の経過
- 家庭内での子どもの様子や生活リズム
- 学校や友人との関係
- 子どもの心理的な負担（不安やストレス）
必要に応じて、医療機関や福祉機関とも連携し、発達特性や健康状態を含む包括的な評価を行います。この段階では、具体的な行動プランではなく、まずは現状の理解を深めることに重点を置きます。
2. 目標の設定
現状を把握した後、子どもや保護者と一緒に短期・長期の目標を設定します。目標内容は状況に応じて柔軟に決定し、必要に応じて見直しを行います。
- 学校復帰を目指す場合：段階的に通学準備を進める
- 別の学びの場を探す場合：通信教育やフリースクールなどを検討
- 家庭での安心した生活の確保：生活リズムの改善や不安軽減
3. 行動計画の作成と実行
目標達成に向けた具体的な行動計画を立て、段階的に実行します。たとえば、学校復帰を目指す場合には以下のようなステップを採用します。
- 外出する習慣をつける
- 家の周囲や学校近くを散歩する
- 短時間だけ学校を訪問する
これらの行動を通じて、少しずつ子どもの不安や抵抗感を軽減していきます。また、進行中に直面する障壁についても柔軟に対処方法を探り、無理のない形で支援を続けます。
認知行動療法（CBT）の役割
考え方や感情へのアプローチ
CBTでは、子どもが抱える不安や恐怖の背景にある考え方や感情に働きかけます。「学校が怖い」と感じる子どもの場合、その感情がどこから来るのかを一緒に探り、現実的な捉え方を学ぶサポートを行います。
エクスポージャー（段階的曝露法）
CBTの一環として、不安や恐怖を少しずつ克服する「エクスポージャー」という方法を用います。以下のような小さなステップを踏むことで、自信を積み重ねていきます。
- 家の玄関まで出てみる
- 近所を散歩してみる
- 学校の門まで行く
このように、無理なく取り組める範囲で少しずつ行動範囲を広げ、不安感を減らしていきます。
最後に
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店では、不登校に悩むお子さまやご家族への専門的なカウンセリングを行っています。お子さま一人ひとりのペースを大切にし、学校復帰を急ぐのではなく、安心して日々を過ごせる方法を一緒に探っていきます。
また、当センターでは対面カウンセリングだけでなく、オンライン相談も対応しておりますので、遠方にお住まいの方や来所が難しい方でも安心してご利用いただけます。
「どうすればいいかわからない」「相談先が見つからない」と感じている方は、ぜひ一度当センターにお問い合わせください。初回無料相談も行っていますので、どうぞお気軽にご連絡ください。全力でサポートさせていただきます。
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店
https://tokyo.cbt-mental.co.jp/
——筆者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈１２３（第２１巻第３号）〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方！お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
