2025年01月07日
- 認知行動療法
夫婦関係改善のためのカウンセリング(認知行動療法)
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店のスタッフです。
現代の忙しい生活の中で、夫婦関係に悩みを抱える方は少なくありません。仕事や家事、育児に追われる日々の中で、パートナーとのコミュニケーション不足や意見の対立が増え、「どうしてわかってくれないの?」と感じることも多いのではないでしょうか。
本日は、夫婦関係改善のためのカウンセリングの概要や実践方法について詳しくお話しします。夫婦間のトラブル解決に向けた具体的なアプローチについてもご紹介します。
夫婦関係の悩みの主な原因
夫婦関係の問題は、さまざまな要因によって引き起こされます。以下はよく見られる原因です。
1. コミュニケーションの不足
仕事や家事、育児に忙しいと、夫婦間での対話が減少し、誤解やすれ違いが生じやすくなります。日常の些細な問題が積み重なり、大きなトラブルに発展することもあります。
2. 価値観や期待の違い
お互いの価値観や生活スタイルが異なる場合、些細なことでも衝突が起きることがあります。
- 「家事や育児の分担が不公平に感じる」
- 「仕事優先で家族の時間を大切にしてくれない」
など、期待と現実のギャップが不満を生むこともあります。
3. 過去の問題や不満の蓄積
過去に解決されないまま残った問題が、現在の夫婦関係に影響を及ぼす場合があります。たとえば、以前の浮気や信頼を裏切る行為が原因で、現在も相手を信じられないと感じるケースが挙げられます。
4. 外的要因
親族の問題や経済的なストレス、育児や介護の負担など、夫婦関係以外の要因が関係に影響を与えることもあります。
認知行動療法を活用した夫婦関係改善のアプローチ
認知行動療法(CBT)は、夫婦関係の改善にも効果的に活用されています。CBTでは、心の困りごとを、特定の状況における「認知」(考え方やイメージ)や「行動」の繰り返されるパターン(癖)として捉え、現在何が起きているのかを整理します。その上で、まずは変えやすい部分から変化することで、徐々に問題を改善していく方法です。ここでは、夫婦関係における認知行動療法の主なアプローチをご紹介します。
1. 問題が繰り返されるパターンの認識と調整
夫婦関係が悪化する原因として、批判や防衛的な態度、相手を避ける行動パターン等が挙げられます。認知行動療法では、これらのパターンを特定し、他のやり方に置き換える方法を学びます。
例:避ける行動を別の行動に変える
避ける行動:意見が衝突した際、「話し合っても無駄だ」と考えて、部屋から出てしまう。
協力的な行動:「この話は少し難しいけれど、冷静に話し合う時間を取ろう。」と提案し、相手と向き合う姿勢をとる。
2. 建設的なコミュニケーションスキルの習得
夫婦間でのコミュニケーションは、関係の良し悪しを大きく左右します。認知行動療法では、アサーティブ(自己主張的)な表現方法や傾聴の技術を取り入れ、感情や意見を適切に伝え合うスキルを構築します。
具体的な方法:
- アサーション: 自分の気持ちを尊重しながら、相手にも敬意を払うコミュニケーション方法です。
- 傾聴: 相手の話を中断せず、共感的に聞くことで、信頼関係を築きます。
3. カップルカウンセリング:共に関係改善に取り組む方法
カップルカウンセリングは、夫婦やパートナー同士が一緒にセッションを受け、問題解決に取り組む方法です。認知行動療法を取り入れたカップルカウンセリングでは、次のような効果が期待できます。
1)相互理解を深める
カウンセラーのサポートを通じて、双方の感情や考えをオープンに話し合う場を提供します。これにより、相手の本音を理解し、自分の気持ちも伝えることができます。
例:夫婦間のすれ違い
これまでの状況:「相手は私に関心がないのでは」と感じていたが、自分の気持ちをなかなか伝えられず、不満を溜め込んでいた。
カウンセリングでの対話:「最近、一緒にいる時間が少なくて少し寂しい」と自分の気持ちを正直に伝える。
相手の反応例:「そんな風に感じているとは知らなかった。これからはもっと一緒に過ごせる時間を作るようにするよ」
結果:相手の関心がないという誤解が解消され、より良いコミュニケーションが取れるようになる切っ掛けとなる場合もあります。
2)関係改善に向けた共通の目標を設定する
夫婦が一緒に改善目標を立てることで、協力して関係を良くする意識が高まります。たとえば、以下のような目標が設定されることがあります:
- 家事や育児の負担を平等にする
- 毎月1回、夫婦で楽しい時間を共有する
- 口論を避け、建設的な話し合いを増やす
3)行動計画の立案と実践
カップルカウンセリングでは、目標達成のために具体的な行動計画を立てます。たとえば:
- 感謝を言葉で伝える: 毎日一度、相手に感謝の言葉を伝える習慣を作る。
- ポジティブな時間を増やす: 週に1回、2人で楽しい活動を計画する。
- 批判を避ける: 不満を伝える際は、攻撃的な言葉ではなく、他の言葉を選んで伝える様にする。
4. 問題の再発防止策の確立
関係が改善しても、再び同じ問題が繰り返される可能性があります。そのため、カウンセリングの中で「再発防止策」を話し合い、取り決めを行います。たとえば:
- 感情的な対立が生じたときの「冷却期間」を決める
- お互いが抱えるストレスを事前に話し合う定期的な時間を作る
カップルカウンセリングのポイント
カップルカウンセリングの実施には、次のポイントが大切です。
1. 中立的な場の提供
カウンセラーが第三者として関わることで、感情的な衝突を避け、冷静に話し合える場が作られます。
2. お互いが関係改善に前向きであること
どちらか一方だけが改善を望むのではなく、夫婦共通のゴールを目指す姿勢が必要です。
3. 継続的な努力を怠らないこと
カウンセリングで学んだスキルや行動計画を日常生活に取り入れ、実践し続けることが関係改善の鍵となります。
最後に
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店では、夫婦関係改善のためのカウンセリングを提供しています。夫婦一緒に、または別々でのご対応も承っております。夫婦関係にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせをお待ちしております。
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店
https://tokyo.cbt-mental.co.jp/
——代表者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
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