MENU

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店の岡村です。本日は「盗撮の再犯防止を目的としたカウンセリング」についてお話しします。当カウンセリングセンターには、盗撮行為に関する悩みを抱えた方も来所されます。こういった問題には、再犯防止に向けた専門的なサポートが必要です。今回は、盗撮の再犯防止に効果的なアプローチであるリラプス・プリベンションモデル(Relapse Prevention Model)を取り入れたカウンセリングについてご紹介します。

1. 盗撮行為の心理的要因と再犯リスク

盗撮を行う背景には、多くの心理的要因が絡んでいます。主な要因は以下の通りです。

当センターでは、これらの要因に向き合い、根本的な問題に取り組むことで、再犯リスクの軽減を目指します。その中で特に効果的な方法の一つが「リラプス・プリベンションモデル」です。

2. リラプス・プリベンションモデルとは

リラプス・プリベンション(Relapse Prevention)は、依存症の再発防止に用いられるモデルで、再発(リラプス)を防ぐことを目的としています。このモデルでは、再発を防ぐために「ハイリスク状況」を特定し、適切な対処法を学んで再発を回避します。

盗撮行為においても、このモデルは有効です。具体的には、再犯リスクを高める「引き金」となる状況を特定し、適切な行動や思考の切り替え方法を学びます。このモデルは衝動をコントロールするだけでなく、本人の葛藤や不安を解消するアプローチとしても役立ちます。

3. 盗撮再犯防止におけるリラプス・プリベンションモデルの活用法

リラプス・プリベンションモデルを活用したカウンセリングでは、次のステップを踏みます。

1. ハイリスク状況の特定

カウンセリングの初期に、盗撮の衝動が起こりやすい状況(ハイリスク状況)を特定します。たとえば、「ストレスが高いとき」「お酒を飲んだ後」「特定の場所や時間帯」などのトリガーを把握し、再犯リスクが高まる状況を予測して対処します。

2. コーピングスキルの習得

ハイリスク状況に直面した際に有効な「コーピングスキル(対処スキル)」を学びます。これには以下の方法があります。

3. 自己評価とフィードバック

カウンセリングでは、自分がハイリスク状況をどの程度コントロールできているかを振り返ることが大切です。毎回のセッションの終わりに自己評価を行い、カウンセラーのフィードバックを受け取ることで改善を図ります。

4. 日常生活での維持戦略の確立

カウンセリングの最終段階では、習得したスキルを日常生活にどう適用するかを確立します。たとえば、「週に一度の自己チェック」や「特定の状況での行動計画」を設定し、行動を自分で管理できるようになります。

4. 盗撮再犯防止のための認知行動療法のアプローチ

リラプス・プリベンションモデルに加えて、認知行動療法(CBT)も盗撮の再犯防止に効果的です。CBTでは、問題行動に関連する思考や感情を分析し、それをコントロールすることで行動を変えるアプローチを取ります。

盗撮の場合、抑えられない衝動や自己コントロールの難しさに直面することが多いため、「自動思考」を認識し、認知の修正を行います。衝動のプロセスを段階的に分解し、適切な行動に切り替える方法を学ぶことで、再犯リスクを減らしていきます。

5. 再犯防止に向けたカウンセリングの重要性

盗撮行為は、社会的な信頼を失うだけでなく、自己嫌悪や罪悪感を生み出し、精神的な負担を増加させます。再犯を防ぐには、自分自身を客観視し、自己理解を深めることが欠かせません。

リラプス・プリベンションモデルやCBTを通じて、自分の行動パターンやトリガーを理解し、対処法を身につけることで自己コントロールが向上します。そして、再発防止策を自ら実行できるようになることが、長期的な改善にとって重要です。

6. 認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店でのサポート

認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店では、盗撮再犯防止に向けたカウンセリングを提供しています。個々の状況に合わせ、リラプス・プリベンションモデルやCBTを組み合わせて具体的な再犯防止プランを構築します。盗撮の再発防止に取り組みたい方、またはそのご家族の方は、ぜひご相談ください。

認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店

https://tokyo.cbt-mental.co.jp/

——筆者情報——

岡村優希

株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役

認知行動療法カウンセリングセンター代表

公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士

個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。

さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。

◆執筆書籍

「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版

「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房

◆テレビ出演

読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日

「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演

◆雑誌掲載

「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号

◆近年の講演実績

2024年2月21日

広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師

2023年2月9日

NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師

2022年7月6日

筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師

その他、学会発表多数

一覧に戻る