2024年09月03日
注意・指摘への恐怖を克服する方法/認知行動療法カウンセリングセンター
皆さんこんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター代表の岡村です。今回のテーマは「注意や指摘への恐怖を克服する方法」についてです。日常生活や職場で注意や指摘を受けることは、誰にとっても心地よいものではありません。しかし、中には一度の指摘で深く傷つき、仕事や学校に行けなくなったり、長期間落ち込んでしまう方もいらっしゃいます。今回は、そのような状況を防ぐための対策について考えてみましょう。
注意や指摘への恐怖とは?
まず、注意や指摘への恐怖がどのように影響を与えるかについて考えてみましょう。多くの人が、他人からの指摘や注意を受けると、それを自分への個人的な攻撃と感じてしまうことがあります。例えば、職場でミスを指摘されたとき、まるで自分の全人格が否定されたかのように感じてしまうことがあります。その結果、強いストレスを感じ、場合によっては仕事を辞める決断をしてしまうこともあるでしょう。
このような反応は、注意や指摘に対する「耐性」が低いことが原因です。耐性が低いと、注意や指摘を受けた際に非常に大きなダメージを受けてしまい、日常生活に支障をきたすことがあります。逆に、耐性が高い人は同じような状況でも軽微なダメージで済ませることができるのです。
注意や指摘への耐性を高める方法
では、どのようにしてこの「耐性」を高めることができるのでしょうか?まず、注意や指摘に対する受け止め方を見直すことが重要です。注意や指摘をどのように受け止めるかが、その後の反応を大きく左右します。
1. 自己受容を高める
多くの人は、注意や指摘を受けると「自分が悪い」と感じてしまう傾向があります。これは、自己評価が低いために起こることが多いです。自己評価が低いと、他人からの指摘を過剰に重く受け止め、自分を責めるようになります。したがって、まずは自己受容を高めることが大切です。自分自身を大切にし、自分の価値を認めることが、注意や指摘への耐性を高める第一歩です。
2. 注意や指摘を客観的に受け止める
注意や指摘を受けたとき、その内容を客観的に分析することも重要です。指摘された内容が本当に自分の問題であるのか、それとも相手の視点からの偏った見方であるのかを冷静に判断しましょう。すべての指摘が正しいわけではありませんし、自分に非がない場合もあります。このように、指摘を冷静に分析し、自分自身を過度に責めないことが、耐性を高める一つの方法です。
3. リカバリースキルを身につける
注意や指摘を受けた後に、どれだけ早くリカバリーできるかも重要なポイントです。例えば、指摘を受けた後に何も手につかなくなってしまうと、その後の仕事や生活にも悪影響を及ぼします。ここで大切なのは、失敗したときにどのように立ち直るかを学ぶことです。小さな成功体験を積み重ねることで、注意や指摘を受けてもすぐにリカバリーできるようになり、ダメージを最小限に抑えることができます。
注意や指摘に対する心理的防御
注意や指摘に対する耐性を高めるための具体的な手法として、「心理的防御」の考え方があります。心理的防御とは、精神的なダメージを最小限に抑えるための心の盾のようなものです。この盾がしっかりしていれば、注意や指摘を受けても大きなダメージを受けずに済みます。
例えば、注意や指摘を受けたときに「これは自分を成長させるためのフィードバックだ」と前向きに捉えることができれば、ダメージは軽減されます。一方で、「自分はダメな人間だ」と否定的に捉えてしまうと、心理的なダメージは増大します。このように、注意や指摘をどう捉えるかが重要です。
最後に
注意や指摘を恐れることは決して悪いことではありません。しかし、その恐怖が日常生活に支障をきたすようであれば、何らかの対策を講じることが必要です。自己受容を高め、注意や指摘を客観的に捉え、リカバリースキルを身につけることで、注意や指摘への耐性を高めることができます。そして、もし一人での克服が難しい場合は、専門家のサポートを活用してください。認知行動療法カウンセリングセンターでもご相談して頂けます。
認知行動療法カウンセリングセンター東京品川店
https://tokyo.cbt-mental.co.jp/
——筆者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
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